AR技術で手術機器の挿入方向を表示する耳鼻咽喉科手術用「Stryker ENT Navigation System」発売

26-Jul-2022

Stryker ENT Navigation Systemの本体ならびに使用例(左)、ナビゲーション画面イメージ(右)

日本ストライカー株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:水澤 聡)は、耳鼻咽喉科手術において、AR(拡張現実)技術で手術機器の挿入方向をモニタ表示できる磁場式ナビゲーションシステム「Stryker ENT*1
Navigation System」を2022年6月から販売開始しました。

 

磁場式ナビゲーションシステムは、術野周辺に約50センチ四方の磁場を発生させ、その領域内で患者さんの位置と手術用機器の動きを捉えます。耳鼻咽喉科手術では組織内の正確な位置に機器を挿入することが非常に重要ですが、各組織は複雑な立体構造を持つため、患部の視認性に劣ります。「Stryker ENT
Navigation System」では、事前撮影したCTデータ等に基づく患者さん個別の手術計画と挿入する医療機器の位置情報を、AR(拡張現実)機能によって内視鏡から取り込む映像に重ね合わせて表示(オーバーレイ)することができます。一般的に、ナビゲーションシステムは現在地情報を術者に示すものとして使われますが、本機はARを併用することで個別の手術計画に基づく機器の挿入方向を同一画面上に示すことによって術者を支援します。また、熟練医師の手術計画を可視化して手術に臨むことができるため、医療技術教育の分野でも活用が期待されています。

 

「Stryker ENT
Navigation System」の本体は幅25センチ、奥行36センチ、高さ21センチ、本体重量は11キログラムと、コンパクトなボックス型です。耳や鼻の手術を手掛ける全国の医療機関のうち、ナビゲーションシステムを導入しているのは約3割にとどまっているとみられ*2、本製品の導入によって耳鼻咽喉科手術の治療成績向上ならびに術中の合併症リスクの軽減*3,4が期待されます。

 

弊社では2020年に発売した鼻腔内術後パッキング材「NasoPore(ナゾポア)」や、耳管・副鼻腔狭窄部拡張用バルーンカテーテル「XprESS(エクスプレス)」などの製品を相次ぎ導入し、耳鼻咽喉科領域でのポートフォリオの拡充ならびにビジネスの更なる成長を目指しています。また本製品を通じて、今後急速に進化・拡大が見込まれるコンピューター支援手術(computer-assisted
surgery)分野への貢献と、患者さんへより質の高い医療を提供いたします。

 

*1:ENT:Ear(耳)、Nose(鼻)、Throat(喉)の頭文字を組み合わせ、耳鼻咽喉領域を表す言葉です。

*2:全国の耳鼻手術を手掛ける医療機関約800施設を対象とした弊社独自調査によります。

*3:志村文代 安田真美子 小林真由美 大前祥子 末次敏成 井田裕太郎 松野栄雄 枝松秀雄. ナビゲーションと内視鏡を併用する耳鼻咽喉科領域の手術. 耳鼻咽喉科展望. 2009. 52(5)P.82-85.

*4:大内俊孝 野村泰之 岸野明洋 永田善之 戸井輝夫 大島猛史. 鼻副鼻腔手術における磁場式ナビゲーションシステムの使用経験. 日大医学雑誌. 2018. 77(1)p.29-33

 

■日本ストライカー株式会社について

整形外科、外科、脳神経外科、脳血管内科、耳鼻咽喉科、口腔外科、救急医療等、様々な診療科目で革新的な製品とサービスを提供するストライカーコーポレーション(本社:米国ミシガン州)の日本法人です。ストライカーは世界をリードする医療機器企業の一つでありお客様である医療従事者の皆様とともに、世界75カ国を超える国々で、年間1億人以上の患者さんへの治療に貢献しています。詳しくはwww.stryker.com/jpをご覧ください。

 

販売名:ストライカー ENTナビゲーションシステム

医療機器認証番号:304AFBZX0002300

 

本内容は報道関係者向けに発表された情報です。