日本ストライカー、肩関節分野でもデジタル活用を加速 ~2022年1月、術前計画ソフトウェア専用ピンガイドを発売~

20-Dec-2021

日本ストライカー株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:水澤 聡)は、2021年11月に肩関節置換手術の際に人工肩関節(以下、インプラント)を適切な角度で挿入支援するピンガイド「PSIガイド」(注1)の薬事承認を受け、全国の整形外科ならびに肩専門医に対して2022年1月から順次販売いたします。PSIガイドは、患部を3Dデータとして立体表示させる術前計画ソフトウェア「Blueprint(ブループリント)」とともに使用されます。ストライカーでは、ロボティクス技術やソフトウェア製品を通じてデジタル活用による医療の向上を目指す「Advanced Digital Healthcare」を推進しており、これらの製品もこの取り組みの一つです。

 

一般的に肩関節と称される部位は、肩甲骨側の関節窩(かんせつか:丸いくぼみ)と上腕骨の上腕骨頭(球体状の先端部)が連結する肩甲上腕関節を中心に構成され、他の関節と比較しても多方向に対し可動域が広いという特徴があります。加齢などを主因とする変形性肩関節症が進行すると人工肩関節への置換が必要になり、日本国内では年間約5,000症例(注2)の人工肩関節置換術が行われています。その多くは平面的なデータをもとに、医師の経験と判断によって行われていますが、術後のQOL(生活の質)向上の観点から可動域を確保し合併症を低減するためには、精緻な術前計画とともに適切な位置や角度にインプラントを設置することが重要です。

 

2014年に旧ライトメディカル株式会社から発売したBlueprint術前計画ソフトウェアは、CT画像をもとに患部をモニタ上に3Dデータとして立体的に再現し、患者さん個々の体側データと併せて表示させます。これにより術前計画時にモニタ画面上でインプラントを疑似的に患部に設置し、最適なインプラントのサイズを計測し、術後の可動域のシミュレーションを行うことができます。このたび発売するPSIガイドは、術中に使用されるチタン合金製のピンガイドで、3Dプリント技術を用いることで、患者さん個々の骨の形状データに合わせてオーダーメイドで制作します。PSIガイドは、術中にBlueprint術前計画ソフトウェア上で推奨される角度を保ったままインプラントの挿入を支援するため、インプラントの設置精度を高め、術後成績の向上と合併症の低減が期待できます。また、専用の電子カルテも完備することで、術後も患者さんごとの3Dデジタル情報を管理・活用できます。

 

当社は2021年6月にライトメディカル株式会社と合併し、上肢 (肩、肘、手首、手)・下肢 (足と足首)分野における製品ポートフォリオが拡大し、術前計画テクノロジーやロボティクス技術の更なる発展を目指しています。デジタル技術を活用することで、これまで以上に幅広い医療の選択肢を、医療従事者の皆様、そしてその先の患者さんへご提供し、医療の向上に貢献してまいります。

 

注1:PSI=Patient Specific Instrument(患者さん個々のオーダーメイドで制作される器具の意)

注2:出所『厚生労働省 第6回NDBオープンデータ』(2019年4月~2020年3月)

 

■日本ストライカー株式会社について

整形外科、外科、脳神経外科、脳血管内科、耳鼻科、口腔外科、形成外科、泌尿器科等、様々な診療科目で使用される医療機器を取り扱うグローバル企業、ストライカーコーポレーションの日本法人です。ストライカー社は米国ミシガン州に本拠地を置き、世界75カ国以上で事業を展開しています。当社製品は、人工膝関節や人工股関節、骨折治療や脊椎用のインプラント製品をはじめ、脳血管内治療用の製品、内視鏡、手術器械、無影灯や画像統合システム等の手術室関連製品、ベッドやストレッチャー、体外式除細動器、自動心臓マッサージシステムなどの循環器救急医療領域の製品など多岐にわたります。詳しくはwww.stryker.com/jpをご覧ください。

 

販売名:トルニエ ブループリント 3Dプランニング+PSI

一般的名称:患者適合型単回使用関節手術用器械、X線CT診断装置用プログラム

医療機器承認番号:30300BZX00321000

管理医療機器

 

販売名:PSI手術器械

一般的名称: 関節手術用器械

医療機器届出番号:13B1X10209000987

一般医療機器

 

本内容は報道関係者向けに発表された情報です。

Blueprint術前計画ソフトウェアとPSIガイドの活用について