脳外科手術後の髄液漏を防止し、合併症リスクを軽減する吸収性硬膜補強材「Adherus」を発売

25-Nov-2019

(画像・使用イメージ):上端のプランジャー(ハンドル)を押し込み、混合液を患部へ噴霧する様子。

医療機器メーカーの日本ストライカー株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:佐伯 広幸、以下日本ストライカー)は、脳の開頭手術で使われる吸収性硬膜補強材「Adherus(アドヒラス)」を2019年11月から全国の病院へ販売開始いたしました。

 

日本の脳神経外科において、開頭手術を必要とする疾患としては脳腫瘍や脳血管障害などが挙げられ、その症例数は年間数万件とも推計されます。開頭手術に際しては、表面の皮膚や筋膜、腱膜を開いたのちに、頭蓋骨や脳を覆うように保護する硬膜を開き、脳内の患部に到達する必要があります。患部への処置を終えた後、内側から順番に縫合していく際、硬膜の微小な縫合穴から内部の髄液が漏れ出ることで合併症リスクが生じます。これを防ぐため、縫合した部分を覆うように塗付されるものが吸収性硬膜補強材です。

 

Adherusは単回使用製品であり、使用直前に液剤と粉材を混ぜ合わせ、混合液を患部に噴霧して使います。準備開始から噴霧するまでは約1分と簡便で、噴霧後、混合液はすぐにゲル化して液垂れを軽減することで医療従事者の有用性に貢献します。また、ゲル化した状態で約90日と長期にわたって硬膜表面にとどまるため、一般的に硬膜が完全に縫合するまでに必要といわれている期間(約1カ月)を十分に満たし、結果として縫合の確度を高めます。体液を含んで膨らむサイズを割合として示す膨潤率も13%と低く、術後、脳実質や血管、神経などの軟組織を圧迫することによるリスクを低減します。なお、Adherusは吸収分解された後、体外に排出されます。

 

Adherusは、米国HyperBranch MedicalTechnology社によって開発され、FDA(米国食品医薬品局)承認後2015年から米国で発売されておりましたが、2018年10月に日本ストライカーの親会社であるストライカー社が同社を経営統合したことで、事業移管が行われました。日本ストライカーでは近年、脳神経外科手術分野において製品ポートフォリオを拡充しています。革新的な製品を通じて、これまで以上に幅広く多様な医療ニーズに包括的に対応し、医療の向上を目指してまいります。

 

■日本ストライカー株式会社について

整形外科、外科、脳神経外科、脳血管内科、耳鼻科、口腔外科、形成外科、泌尿器科等、様々な診療科目で使用される医療機器を取り扱うグローバル企業、ストライカーコーポレーションの日本法人です。ストライカー社は米国ミシガン州に本拠地を置き、世界100カ国以上で事業を展開しています。

当社製品は、人工膝関節や人工股関節、骨折治療や脊椎用のインプラント製品をはじめ、脳血管内治療用の製品、内視鏡、手術器械、無影灯や画像統合システム等の手術室関連製品、ベッドやストレッチャー、体外式除細動器、自動心臓マッサージシステムなどの循環器救急医療領域の製品など多岐にわたります。詳しくはwww.stryker.com/jpをご覧ください。

 

 

*販売名:Adherus デュラル シーラント

    医療機器承認番号:23000BZX00309000

 

 

本内容は報道関係者向けに発表された情報です。