半月板修復手術で用いる両端針付き人工靭帯「Mブレード」発売 ~秋山製作所との共同企画・開発で、日本のスポーツメディスン臨床現場のニーズに対応~

04-Apr-2022

日本ストライカー株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:水澤 聡)は、膝関節内にある半月板の修復手術に使われる両端針付き人工靭帯(じんたい)「Mブレード」を、2022年4月1日に発売いたしました。「Mブレード」は、日本の臨床ニーズにきめ細かく対応するため、医療用縫合器具メーカーの株式会社秋山製作所と共同で企画・開発。日本の半月板修復手術において主要な術式である「Inside Out法」に対応するテープ状の非吸収性人工靭帯として、保険適用となりました。

 

半月板とは膝関節にある繊維軟骨で、膝にかかる荷重を分散し衝撃を吸収する役割を持ちます。スポーツなど激しい動きを行った際に半月板が断裂すると違和感や痛みが生じ、保存療法による修復が難しい場合には手術となります。日本において、関節鏡下で行われる半月板切除手術と半月板修復手術を合わせると年間45,000例(※)にのぼりますが、半月板を切除すると、長期的に見て運動機能の低下が危惧されることから、近年では半月板の機能温存の重要性が再認識され、修復手術が選択されることが多くなっています。また、半月板のどの位置に、どのように断裂が生じたかによって術式も異なるため、症例ごとに最も適した器具を選択することが、術後の機能回復に大きく寄与します。

 

このたび発売する「Mブレード」は、幅1.5ミリメートル・長さ50センチメートルの超高分子量ポリエチレン製テープの両端に、長さ6センチメートルのステンレス製の針が付属する、両端針付き人工靭帯です。適用となるのは半月板の中節・後節の断裂部を修復するために関節内から関節外に向けて縫合針を挿入する「Inside Out法」という日本国内における主要な術式です。従来は縫合糸付き針を断裂部に何重にも通すことで縫い閉じていた症例において、「Mブレード」を用いることで、半月板と、半月板に付着する冠状靭帯をまとめてテープ状の人工靭帯で面的に押さえることができ、患部を強力に固定させることができます。また、針を通す回数を減らすことで手術時間を短縮するとともに、縫合糸による半月板損傷や神経損傷などの合併症を低減することも期待できます。

 

「Mブレード」の開発にあたっては、日本ストライカー、秋山製作所、さらに大阪大学大学院医学系研究科・中田研教授との共同研究を実施し、臨床ニーズを把握。約3年の開発期間を経て、縫合糸製造のリーディングカンパニーである秋山製作所を製造元、スポーツメディスン分野で多くの製品ポートフォリオを有し全国に営業ネットワークを持つ日本ストライカーを販売元として、このたびの発売に至りました。

 

日本ストライカーでは、半月板の中節・後節の断裂を関節包内で修復するAll-inside法に対応する半月板修復デバイスを2021年にリニューアルし「AIR+(エアープラス)」として発売。近年は肩関節や膝関節の人工靭帯や靭帯固定具も新たに発売するなど、スポーツメディスン分野を強化しています。このたび日本ストライカーが秋山製作所とともに日本で独自に開発した「Mブレード」が新たに製品ポートフォリオに加わることで、患者さんへより良い治療選択肢を提供し、医療の向上に貢献いたします。

 

※出典:厚生労働省「第6回NDBオープンデータ」(2019年4月~2020年3月診療分)

 

 

■日本ストライカー株式会社について

整形外科、外科、脳神経外科、脳血管内科、耳鼻科、口腔外科、形成外科、泌尿器科等、様々な診療科目で使用される医療機器を取り扱うグローバル企業、ストライカーコーポレーションの日本法人です。ストライカー社は米国ミシガン州に本拠地を置き、世界75カ国以上で事業を展開しています。当社製品は、人工膝関節や人工股関節、骨折治療や脊椎用のインプラント製品をはじめ、脳血管内治療用の製品、内視鏡、手術器械、無影灯や画像統合システム等の手術室関連製品、ベッドやストレッチャー、体外式除細動器、自動心臓マッサージシステムなどの循環器救急医療領域の製品など多岐にわたります。詳しくはwww.stryker.com/jpをご覧ください。

 

 

販売名:Mブレード

一般的名称:非吸収性人工靱帯

医療機器承認番号:30300BZX00314000

製造販売業者:株式会社秋山製作所

 

 

本内容は報道関係者向けに発表された情報です。